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10/12 2024

《連載》絵本への道。『まもれ!げすいどう!!』小平下水道ふれあい館見学 

微生物が下水をきれいにしている様子

「下水道はおもしろいですよ〜」と先日雑誌で暗渠の取材をさせていただいた中級暗渠ハンターの髙山英男さんに教えていただいて、下水道展を見に行ってきたら、都市生活にとってなくてはならないものなのに、その実態についてなにも知らないということに愕然とするとともに、下水道管の風景のかっこよさったらないのであります。臭い汚いという下水のイメージと下水道管のギャップ。同じ下水と呼ばれる生活汚水と雨水の違いなど、知らないことがいっぱい。下水道展では下水道に関わるみなさんが新製品に関してはもちろんのこと、下水道の仕組みなど一生懸命に説明されている姿が印象的でした。もしかしたら、少しだけ切り取り方を工夫すればしゃしん絵本としてもおもしろいものができる気がしました。
 それならばと、まずは下水道のことを知らなければ!と訪ねたのが「小平ふれあい下水道館」ここの売りはなんといっても実際に使われている下水道管の中に入れるということ。そして、無料。

館内に入ると階段で下は下へ。

それぞれの階では、微生物が下水を実際に処理している電子顕微巨の映像があったり、下水道の歴史。下水処理場の仕組みなど、下水道について知って欲しいという気持ちがビシビシ伝わってきます。

個人的に面白かったのは、下水道の歴史はあまり古くなく日本では(東京では)大正以降に本格的に始まっているということ。いまも下水道は延びている。確かに私が小学生だった30年くらい前の授業で世田谷区は下水道が100%ではないというのを習ってびっくりしたのを今でも覚えている(いまは23区は100%とのこと)、そして最近では集中豪雨対策で雨水用の貯水槽が都市の地下たくさんできているとのこと。下水道は現在進行形なのだ!

暗渠になった川を下水道として利用しているところもあるというのも驚きでした。

ちょっと話はそれるけど、人間はうんちをしたあとお尻を拭くのにネコやイヌはそのままでもなぜ平気なのかということが書かれていて、その理由が人間が二足歩行をしたことによってお尻の筋肉が鍛えられたからという話もおもしろくて、最近ちょくちょく人に話している。

館内を一番下まで降りるといよいよ下水道管の中へ。

厳重な扉を入るとムアッと下水の匂いと共に、湿気が体を包み込みます。下水道管には橋が渡してあり、真下を生活排水の下水が勢いよく流れていきます。量は少ないように見えますが音と流れの速さ、湿気で迫力がすごい。
都市の内蔵を見ているようなそんな気持ちになりました。

館内では、先日の集中豪雨時の映像が流れていましたがこの大きな下水道管が水でいっぱいになっていました。

どんな切り口で表現したら面白くなるのか。なかなか難し課題ですがいままでにない絵本になるチャンスでもある気がします。